お題(応援)

何のポスターかなと覗き込んだ、うまみ日本一宣言の字が飛び込んできた地味な単語がカラフルなデホルメ魚🐟の上にあった。ついにやった、彼等が立ち上がった。密かに私は待っていた。うまみ日本一宣言、出汁の祭りを心から応援したい。2月8、9日どんな内容なのかポスターだけでは解らない打ち上げ花火の様にはなやかでも線香花火の様につつましくても第一回を立ち上げた事に乾杯!
私の住むところはあっちこっちに大小の入江がありそれに沿うように煮干し、鯖やエッパ(カツオに外観はそっくり)等の雑節製造所やかまぼこ製造所があるたくさんの若い人が働いている。もちろんベテランもいる。私は鶏を飼っていて魚粉は大切な栄養源で雑節煮干し製造所から出る魚粕を買っている、そこに行くとホークリフトが3台行き交い生魚を運んだり蒸し上がったものを干場に運んだり脇では女性達が手早くはつらつと作業をしている魚は鮮度が命リズムをつけて働く姿は美しい。
私は週に3回町に卵宅配に出かける帰りは夕方暗くなる頃東シナ海の海沿いの道路を通って来る。金星がキラキラ輝き出す空の下沖の漁船団の集魚灯のスイッチが入る、安全と大漁の祈りを込めて。漁師さん達の仕事が始まる。
夜明けの星ぼしが最後のキラメキを弱く放ち出す頃携帯で手伝いの女達が集められ、漁船の接岸と同時に手早く選別がなされ、その頃には煮干し雑節製造所ではかまどに火が入れられ木こりさんが切り出して運んで来て積んである薪をくべ湯を沸かし燻製所からは煙が吹き出す。ここにこだわりがあるけっして重油など使わないニオイがうつると云う薪だけを使う。
私は早朝の種分け選別作業に呼ばれたいと思っている、一番活気のある場所を体験したいと願っているが実は作業が終わるとシャー分けと云う魚をもらえるその量ははんぱない自分のところで食べる分と隣近所に分ける分まで入っている私はこの農園の端と端にロープを繋いで鯉のぼりの様にイワシアジ鯖の塩したものを干して乾いていく様を見ていたい。でも製造所まで40分もかかる場所に住んでいると小回りがきかずしかも素人だから全然声がかからない。
港町は家と家の間が狭く、歩くしかない路地通って卵を届けに行く、私の前に長靴にヤッケ毛糸の帽子の若者がシャー分けをぶら下げて一人暮らしのおばあさん👵の家に入って行く、短い口上のイントネーションがたまらなく私の心にも届く。不義理ばかりな私も郷ごころがつく。こんな若い人達の出汁祭り、見に行きたい。